所得税も住民税も「所得」に対して課される税金です。勤務先から給与の支払いを受ける際には、いろいろと控除される項目があるかと思いますが、そのなかには「所得税」と「住民税」もあるはずです。所得税と住民税では税額の計算方法や控除されるタイミングが異なります。

所得税

所得税は国税で、日本国に納める税金です。

①その月に支給される給与の金額
②会社に毎年提出している「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載している扶養親族等の人数

この情報をもとに「源泉徴収税額表」から毎月控除する所得税の金額を決定します。
本来、所得税は1月から12月までの一年間を計算期間として税額を計算し、翌年3月15日までに納付を行ないます。ですからサラリーマンは給与の支払をうける都度、所得税を前払いしている感覚です。この前払いしている所得税の精算が、12月に行われる年末調整です。きちんと税額計算をした所得税が前払いした所得税よりも少ない場合には還付されますし、逆の場合には徴収されます。

所得税は「累進課税方式」によって税額が計算されます。この方式では所得が大きくなるにつれて適用される税率が高くなっていきます。一番低い税率は5%で、課税所得金額が1,950,000円以下の部分はこの税率が適用されます。ここから段階的に税率が上がっていき、最高税率は18,000,000円超で40%となります。さらに平成27年分以降は40,000,000円超の部分について最高税率が45%まで引き上げられることになります。

住民税

住民税は地方税で、住民票のある都道府県と市区町村に納める税金です。

年末調整の情報は、年末調整をしたその翌月には勤務先からサラリーマンの住んでいる市区町村に提出されます。その情報をもとに市区町村が住民税の税額計算を行ないます。計算が済みますと、今度は市区町村から勤務先に住民税の納付書が送付されてきます。勤務先は6月を開始月として、翌年5月までの一年間、給与支給時に住民税を控除していきます。6月については端数の関係上若干金額が異なりますが、他の月に関しては毎月一定の金額が控除されることになります。

所得税は給与が支給される際に「その年分の所得」に対する税額が徴収されるのに対して、住民税は「前年の所得」に対する税額が徴収されることになります。入社一年目の新社会人の給与からは所得税のみが控除され、住民税は控除されません。「前年の所得」がないからです。その逆で、退職した翌年には例え所得が0円であっても「前年の所得」があれば住民税が課税されることになります。

住民税は所得税と違い、課税所得金額に対して一律10%となります。(都道府県に4%、市区町村に6%)

(H27.4月 担当:柏原)