今回は、税理士として14年間、さまざまな業種の方々の起業や起業相談に携わった経験上の私なりの「成功する起業の心得」を挙げてみました。

1)なぜ起業をするのか、その理由(ワケ)を明確にする

事業を成功させるには、並々ならぬ思い、人一倍の努力が必要となります。
もしかしたら、中には思いつきや現状からの逃避の手段として、「起業」を考える方もいるかもしれませんが、あたりまえですが、それではなかなかうまくはいかないでしょう。
ちょっとやそっとでは揺らがない、その方ならではの「起業の理由(ワケ)」がある方は、起業後の様々な試練にも立ち向かっていけるように感じます。

2)家族や身内の賛同を得る

成功するビジネスとは、周りの関係者の協力なくしては成り立たないものです。
関係者の最たる存在といえば、家族や身内ですね。
もしかすると、最初は「起業なんかされても収入が安定せず不安だ」「なにを思って起業するのかしら」などと、賛成してもらえないケースもあるかもしれません。それでもそのような不安を感じる家族に、自分の熱い思いを伝え、説明し、理解してもらい、最終的には賛同してもらえずして、赤の他人を巻き込んで支持され成功する事業はなかなかあり得ないでしょう。

3)自分や提供する商品サービスの強みだけでなく、弱みも熟知する

起業しよう!と考えている時点は、どなたも間違いなく超プラス思考な状態です。
怖いもの知らず、敵知らず状態で、なんでもかんでもうまくいくことばかりを想定してしまいがちです。
成功する方々が一味違うのは、そんなときでも冷静に分析をし、自分や商品などの内部にある弱み、市場の脅威などを把握されていることです。
起業後は行く先々、想定外の嵐ですから、そういったマイナスの要因に対して、あらかじめ備えておける方はやっぱり強いです。

4)然るべきアドバイザーに事前に相談する

その道の先輩、経営の先輩、専門家と、いろいろと考えられると思いますが、然るべきアドバイザーに相談し、気付きやヒントを得られる起業家であることも成功の大きな秘訣です。聞こえのいいことばかりではなく、厳しいことや客観的なアドバイスをしてくれる方の意見を真摯に受け止められる心もとても大切です。
みな良きサポーターとなり、事業の成長にも弾みがつくはずです。

5)周りを幸せにするだけでなく、きちんと自分も幸せであること

思いが強すぎると陥りがちなのが、「社会貢献」「弱者救済」などという大義名分にこだわるがあまり、周りを幸せにして感謝されるけど、ふと立ち止まると、自分自身に幸せ感や心のゆとりがなくなってしまうケースです。
短期的には乗り切れるかもしれませんが、良い事業を長く提供し支持してもらいたいと本当に思うのならば、きちんと自分自身が幸せな状態、自分にちょっとでも余裕がある状態でいなければならないと思います。

以上、私の経験上の主観も入りつつの「成功する起業の心得」でした。 
読者のみなさんに、1つでも、うんうん。と思っていただけるものがあれば、それが私にとってはちょっとした「成功」です。

初出:クラウド円簿(2015.6.24) https://www.yenbo.jp